宅建業の事務所要件とは?物理的要件・独立性・よくある不備を解説

宅建業の免許を取得するためには、営業所が宅建業法に定める事務所要件を満たしている必要があります。
この事務所要件は、免許審査で最も補正が入りやすいポイントの一つです。
この記事では、宅建業の事務所として認められるための基準 と、実務で頻発する不備ポイント をわかりやすくまとめました。

事務所要件の基本的な考え方(宅建業法2条12号・解釈運用基準)

宅建業における「事務所」とは、継続的に宅建業を営むための拠点であり、常時従業者が業務できる状態の場所 を指します。

法令では、事務所としての判断基準を次のように整理できます。

  • 実際に従業者が勤務できる設備が整っているか
  • 電話・机・接客スペースなどが業務に必要な状態か
  • 名義貸しや形だけの事務所ではないか
  • 専任宅建士が常勤できる環境か

以下では、具体的な要件を詳しく解説します。

物理的な要件

独立した区画であること

宅建業は、事務所の独立性が重視されます。
次のような場合は、独立した事務所として認められません。

  • 自宅のリビングの一角
  • 他社オフィスの一部を間借りしているだけ
  • カフェスペースや共用スペース
  • サロンや塾など別業種の受付と共用している

逆に次のような環境であれば認められやすいです。

  • 独立した部屋・ブースとして区分されている
  • ドア・壁で区切られている
  • 外部から見て自社事務所と明確に分かる

机・椅子・電話・PCなど最低限の設備があること

宅建業を行ううえで最低限必要なのは、

  • 椅子
  • 電話番号
  • パソコン等の業務端末
  • 書類保管スペース
  • 接客が可能な設備

これらは“審査のためだけに形だけ置いた”という場合、補正や現地調査時の否認の可能性があります。

接客スペースの有無

来客を想定したテーブル・椅子が必要です。
「机が1つだけ」「狭いスペースで座れない」などの状態は不備になりやすいです。

自宅兼事務所の場合の注意点

自宅を事務所にすること自体は可能ですが、次の点が特に審査されます。

事務所部分が独立しているか

  • 家族の生活動線と混在していないか
  • 専用の部屋として使えるか
  • 来客が玄関からそのまま事務所に行けるか

生活スペースと一体の場合、“宅建業を継続的に行える場所ではない”と判断されやすいです。

家主の同意

賃貸物件で事務所を構える場合は、契約書に「事務所利用可」と明記 されているか、または 管理会社の承諾書 が必要です。

シェアオフィス・レンタルオフィスの場合の扱い

昨今増えているシェアオフィス利用は、注意点が多く審査も厳しめです。

認められるケース

  • 明確に独立した専用スペースがある
  • 施錠でき、他者が自由に出入りできない
  • 机・椅子・通信設備が常設されている

認められないケース

  • フリースペースのみ
  • 共有デスクのみで固定席がない
  • 他社と混在している
  • 専任宅建士が常勤できない環境

実務では、「固定席」「鍵付きスペース」が重要な判断材料となります。

事務所要件で多い補正ポイント

次のような理由で補正が非常に多いです。

設備が不足している

→ 机・椅子・PC・電話が揃っていない
→ 接客スペースがない

事務所の独立性が認められない

→ 他業種との共用
→ 共有スペースしかない
→ 自宅と完全に一体

契約書の名義不備

→ 契約者が会社と一致しない
→ 代表者個人名義で会社の使用を明記していない

賃貸物件の「事務所利用の承諾」がない

→ 管理会社からの承諾書不足が典型例

専任宅建士が常勤できない住所

→ 遠隔地居住により、勤務実態との整合性が取れない

まとめ

宅建業の免許審査において、事務所要件は最も細かく確認されるポイントです。
特に、独立性・設備・契約書の整合性・専任宅建士の勤務実態 は必ずチェックされます。

事務所の準備は、「後で片付ける」ではなく、申請前に十分な状態に整えておくこと が重要です。

実際の申請サポート内容や、当事務所で対応できる範囲については、宅建業許可申請サポート で説明しています。

宅建業免許申請の手続きはお任せください

この記事では、宅建業(宅地建物取引業)に関する免許制度について解説しました。
宅建業免許が必要かどうか、また新規取得や更新ができるかどうかは、事務所要件・専任の宅地建物取引士の設置・欠格要件の有無など、個別の状況によって判断が異なります。

「これから不動産業で開業したい」
「免許申請の要件を満たしているか不安がある」
「更新や変更手続きをスムーズに進めたい」

このような場合は、早めに専門家へ確認することで、申請のやり直しや手続きの遅れを防ぐことができます。

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