建設業で産廃収集運搬業許可が必要になるケースとは?取得するメリットも解説

はじめに

建設業では、工事に伴って多くの産業廃棄物が発生します。

例えば、

  • コンクリートがら
  • 木くず
  • 廃プラスチック類
  • 金属くず
  • 石こうボード

などです。

これらを現場から搬出する際、

  • 産業廃棄物収集運搬業許可が必要なのか
  • 自社運搬なら問題ないのか
  • 下請業者が運搬してもよいのか

といった疑問が生じることがあります。

また近年では、元請企業や発注者から、適切な廃棄物管理体制を求められるケースも増えています。

この記事では、建設業で産業廃棄物収集運搬業許可が必要になるケースや、取得するメリット、実務上の注意点について解説します。

建設業で産業廃棄物収集運搬業許可が問題になる理由

建設現場では、解体工事や改修工事などによって大量の廃材が発生します。

特に多いのが、

  • がれき類
  • 木くず
  • 廃プラスチック類
  • 金属くず

などです。

これらは産業廃棄物に該当するため、適切な処理が必要になります。

また、建設業では、

  • 元請
  • 下請
  • 孫請

など複数事業者が関与することが多く、排出事業者の判断や運搬責任が複雑になりやすい特徴があります。

そのため、産業廃棄物収集運搬業許可の要否が問題になるケースも少なくありません。

建設業で多い産業廃棄物の種類については、産業廃棄物の種類一覧|20種類の分類と建設業で多い産廃を解説にて整理しています。

建設業で産廃許可が必要になるケース

産業廃棄物収集運搬業許可は、原則として他人の産業廃棄物を運搬する場合に必要になります。

下請業者が廃材を運搬するケース

建設業では、下請業者が現場から廃材を搬出するケースがあります。

しかし、

  • 誰が排出事業者なのか
  • 誰の契約で処理するのか
  • 誰の責任で運搬するのか

によって、許可の必要性が変わる場合があります。

実務では、無許可運搬と判断されるリスクが問題になることもあります。

元請・下請で誰に許可が必要になるのかについては、元請・下請で産業廃棄物収集運搬業許可は誰が必要?建設業で多い誤解と判断基準を解説にて解説しています。

他社の廃棄物を運搬するケース

協力会社や他社現場の廃材を運搬する場合は、産業廃棄物収集運搬業許可が必要になる可能性があります。

軽トラックによる運搬であっても、産業廃棄物を扱う以上は注意が必要です。

軽トラックによる産業廃棄物運搬については、軽トラックでも産業廃棄物収集運搬業許可は取れる?必要な条件・注意点・実務対応を解説でも取り上げています。

複数都道府県をまたぐケース

建設現場と処分場が別都道府県にある場合は、それぞれの自治体許可が必要になるケースがあります。

例えば、

  • 大阪府で積込みして奈良県へ運搬
  • 京都府で積込みして大阪府で処分

などの場合です。

産業廃棄物収集運搬業許可の基本制度については、産業廃棄物収集運搬業許可とは?取得要件・申請の流れ・注意点を解説でも紹介しています。

建設業者が産廃収集運搬業許可を取得するメリット

廃棄物管理を自社で行いやすくなる

産業廃棄物収集運搬業許可を取得することで、廃材運搬を自社管理しやすくなります。

特に、

  • 複数現場を管理している
  • 解体工事が多い
  • 継続的に廃材が発生する

ような事業者では、運用面のメリットが生じる場合があります。

現場対応を柔軟にしやすい

外部業者への依頼調整が減ることで、現場状況に応じた運搬対応を行いやすくなる場合があります。

例えば、

  • 急な搬出対応
  • 少量廃材の運搬
  • 現場間移動

などです。

元請や取引先から評価されることがある

近年では、建設業でも環境管理体制が重視される傾向があります。

そのため、

  • 産業廃棄物管理体制
  • 法令順守体制
  • マニフェスト管理

などを整備していることが、取引上プラスに働くケースがあります。

元請企業によっては、産廃管理体制を確認されることもあります。

廃棄物処理コストを見直せる可能性がある

継続的に廃材運搬を行っている場合、処理体制を見直すことでコスト管理につながる可能性があります。

特に、

  • 運搬回数が多い
  • 複数現場がある
  • 自社車両を保有している

場合は、長期的な視点で検討する価値があります。

ただし、車両維持費や管理コストも発生するため、事業規模に応じた判断が必要です。

建設業で注意したい実務ポイント

自社運搬と許可不要は同じではない

建設業では、「自社運搬だから許可不要」と考えられることがあります。

しかし実際には、

  • 契約形態
  • 排出事業者
  • 運搬実態

によって判断が変わる場合があります。

形式だけで判断すると、無許可運搬とみなされるリスクもあります。

建設廃材を自社運搬する場合の考え方については、建設廃材を自社運搬する場合に産廃許可は必要?許可不要との違いと判断ポイントを解説にて説明しています。

マニフェスト管理が必要になる

産業廃棄物を運搬する場合は、マニフェスト管理が必要になるケースがあります。

紙マニフェストだけでなく、電子マニフェストへの対応が求められる場合もあります。

マニフェスト制度については、産業廃棄物収集運搬業のマニフェスト制度とは?紙・電子の違いと実務上の注意点を解説にて紹介しています。

車両表示義務がある

産業廃棄物を運搬する車両には、

  • 産業廃棄物収集運搬車
  • 許可番号

などを表示する必要があります。

表示不備によって指導対象になることもあります。

車両表示ルールについては、産業廃棄物収集運搬業の車両表示ルールとは?表示義務・サイズ・違反リスクを解説でもご確認いただけます。

名義貸しはリスクが高い

他社名義の許可を利用して運搬を行うような行為は、名義貸しと判断される可能性があります。

行政処分や刑事責任につながるリスクもあるため注意が必要です。

名義貸しによる行政処分リスクについては、産業廃棄物収集運搬業の名義貸しは違法?行政処分・許可取消リスクを解説にてまとめています。

許可取得後の実務対応については、産業廃棄物収集運搬業の許可取得後に注意したい実務リスク|更新・マニフェスト・行政指導対策でも整理しています。

産業廃棄物収集運搬業許可を取得する際の主な要件

許可取得には、次のような要件があります。

  • 講習会修了
  • 車両要件
  • 財産的基礎
  • 欠格事由に該当しないこと

また、扱う産業廃棄物の種類によって、必要な設備や運用管理も変わる場合があります。

まとめ

建設業では、解体工事や改修工事などによって多くの産業廃棄物が発生します。

特に、

  • 下請業者による運搬
  • 他社廃棄物の搬出
  • 複数都道府県をまたぐ運搬

などでは、産業廃棄物収集運搬業許可が必要になるケースがあります。

また、許可取得によって、

  • 廃棄物管理体制の強化
  • 現場対応の柔軟化
  • コスト管理
  • 元請からの評価向上

などにつながる可能性があります。

一方で、排出事業者の判断やマニフェスト管理など、建設業特有の実務論点も多いため、実態に応じた確認が重要です。

産業廃棄物収集運搬業許可についてさらに知りたい方へ

産業廃棄物収集運搬業許可の制度や要件、申請手続きなどについて全体を知りたい方は、産業廃棄物収集運搬業の記事まとめもご覧ください。

産業廃棄物収集運搬業許可申請などをご検討の方へ

当事務所では、産業廃棄物収集運搬業許可の新規申請や更新、各種変更届などの手続きについてサポートを行っています。
サポート内容や対応できる業務範囲については、産業廃棄物収集運搬業許可申請サポートでご確認いただけます。

産業廃棄物収集運搬業許可の申請はお任せください

この記事では、産業廃棄物収集運搬業許可について解説しました。

産廃業の許可は、取り扱う廃棄物の種類や運搬区域(都道府県)、車両・容器の要件、講習会修了の有無などにより、申請内容や必要書類が大きく変わります。

「許可が必要なのか判断できない」
「どの自治体に申請すればいいのか分からない」
「書類作成や役所対応を任せたい」

このようなお悩みがある場合は、早めに専門家へ相談することで、申請のやり直しや無駄な時間を防ぐことができます。

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