宅建業を廃業するときの届出とは?廃業等届出書・免許証返納・保証金取戻しを解説

事業を止めるだけでは免許は整理されません

宅建業を廃業する場合は、店舗を閉めたり法人登記を変更したりするだけでなく、免許権者へ廃業等届出書を提出し、免許証・保証制度・進行中の取引を整理します。

個人の廃業、死亡、法人の解散・合併・破産では、届出を行う人と期限の起算点が異なります。

DEADLINE原則30日以内

廃業等の事由が生じた日から30日以内が基本です。死亡時は相続人が知った日から数えます。

LICENSE免許証返納

廃業等届とともに免許証を返納し、紛失時は紛失届等を準備します。

AFTERCARE取引・保証の整理

預り金、媒介契約、帳簿、保証協会、営業保証金の取戻しを別途進めます。

廃業等届が必要なケース

個人事業主が宅建業を廃止免許を受けた本人が届け出ます。
個人事業主が死亡相続人が、死亡を知った日から30日以内に届け出ます。
法人が合併で消滅消滅法人を代表する役員であった者が届け出ます。
法人が破産破産管財人が届け出ます。
法人が解散清算人が届け出ます。
法人が宅建業だけを廃止法人の代表者が届け出ます。
会社が残る場合でも、宅建業をやめれば廃業届が必要

不動産賃貸業や他事業を継続し、法人を存続させる場合でも、宅建業を廃止するなら宅建業法上の廃業手続きを確認します。法人解散届と宅建業廃業届は別の手続きです。

提出書類と整理資料

宅地建物取引業者廃業等届出書廃業事由、発生日、届出義務者を正確に記載します。
宅地建物取引業者免許証原本を返納します。見当たらない場合は免許証紛失届等を確認します。
事由を証する資料死亡、合併、破産、解散等では、戸籍・登記事項証明書・裁判所資料等を状況に応じて準備します。
保証制度関係資料保証協会の退会、供託金の取戻し、債権申出公告に必要な資料を整理します。
営業記録媒介契約、重要事項説明、契約書、帳簿、従業者名簿、顧客連絡記録を保存・整理します。

進行中の取引への対応

CLIENT

顧客への連絡

媒介中の物件、申込み、契約、引渡し、預り金の状況を案件別に一覧化し、対応方針を説明します。

MONEY

預り金・報酬

申込金、手付金、精算金、未収報酬、返金義務を通帳・帳簿・契約書と照合します。

RECORDS

帳簿・書類保存

廃業後も必要な期間、取引記録や顧客情報を適切に保存できる管理者と保管場所を決めます。

廃業日を先に決めるときは、契約の締結時期に注意

新たな媒介契約や売買契約を受け続けながら廃業届を準備すると、どの案件を誰が完了させるか分からなくなります。新規受注停止日、最終営業日、届出日を分けて管理します。

保証制度の終了手続き

01廃業事由を確定する

発生日と届出義務者を確認します。

02取引を棚卸しする

進行案件、預り金、顧客連絡を整理します。

03廃業等届を提出する

免許証と事由別の添付資料を提出します。

04保証協会へ連絡する

退会、分担金等の精算、支部手続きを確認します。

05供託金の取戻しを行う

供託業者は官報公告、債権者対応、証明請求を進めます。

06表示・媒体を閉鎖する

業者票、広告、ウェブ、ポータル、名刺から免許表示を整理します。

営業保証金は廃業届を出した日に直ちに戻るわけではない

供託業者が営業保証金を取り戻す場合、官報公告や債権申出期間などの手続きがあります。奈良県では、公告後の証明請求に関する様式も案内されています。

廃業前チェック
  • 最終営業日と廃業事由の発生日を区別した
  • 進行中の媒介・売買・賃貸案件を一覧化した
  • 預り金・返金・未収報酬を確認した
  • 免許証原本の保管場所を確認した
  • 保証協会または供託金の終了手続きを確認した

確認しておきたいポイント

法人を解散しなくても宅建業だけ廃業できますか?

できます。法人を残して他事業を続ける場合でも、宅建業を廃止するなら宅建業の廃業等届を確認します。

個人免許の名義を相続人へ変更できますか?

個人免許を相続人名義へ単純変更する手続きではありません。事業を継続する相続人は、新規免許の取得を検討します。

保証協会を退会すれば廃業届は不要ですか?

保証協会の退会と免許権者への廃業等届は別手続きです。双方へ必要な対応を行います。

宅建業の廃業・法人解散・事業承継を整理したい方へ

廃業事由、免許、進行中の取引、保証制度を確認し、届出と事後処理を順番に整理します。

宅建業免許についてさらに確認する

※届出義務者・添付資料は廃業事由により異なります。死亡・合併・解散・破産の場合は、発生日と法定の届出義務者を個別に確認してください。