古物商の本人確認・古物台帳とは?1万円基準・少額例外・非対面買取を解説
古物商は、古物を買い受ける際に相手方を確認し、取引内容を古物台帳等へ記録する義務があります。
1万円未満なら常に免除されるわけではありません。品目・取引方法・買受けか売却かを判定し、2025年10月改正と2026年6月の金属盗対策制度も確認します。
1万円以上の買受けは原則として全古物で本人確認・記録を行います。
バイク、ゲームソフト、CD等、書籍、室外機・電線等は少額でも免除されません。
免許証画像だけではなく、法定の確認方法を採用します。
本人確認が必要な取引
相手方から古物を買い受け、交換し、または売却の委託を受けるときは、取引額と品目に応じて確認します。
| 確認事項 | 相手方の住所、氏名、職業、年齢を確認します。 |
|---|---|
| 対面確認 | 運転免許証等の提示を受け、記載内容と本人を確認する方法等を用います。 |
| 1万円以上 | 買受け等の対価総額が1万円以上なら原則として全古物が対象です。 |
| 古物商間取引 | 相手方が古物商でも確認義務が当然に免除されるわけではありません。 |
| 未成年者 | 本人確認に加え、買取条件・親権者同意・各社規程を整えます。 |
本人確認書類を見ただけで終わらず、法定事項を台帳へ記録し、商品と相手方を追跡できるようにします。
1万円未満でも必要な品目
盗難被害が多い一部品目は、少額取引でも本人確認・帳簿記載の免除対象になりません。
| 自動二輪車・原動機付自転車 | 部分品を含みますが、対象範囲の細目を確認します。 |
|---|---|
| 家庭用コンピュータゲームソフト | 中古ゲームソフト。 |
| CD・DVD・Blu-ray等 | 光学的方法で音・映像を記録した物。 |
| 書籍 | 古本、コミック、雑誌等。 |
| エアコンの室外ユニット | 2025年10月1日から追加。 |
| 電気温水機器のヒートポンプ | 2025年10月1日から追加。 |
| 電線 | 2025年10月1日から追加。対象外となる線種も公式案内で確認します。 |
| 金属製グレーチング | 2025年10月1日から追加。材質を区別します。 |
複数商品を同時に買い受ける場合、対象品目と取引総額の判定を買取システムへ組み込みます。
古物台帳の記録
古物台帳または電磁的記録は、取引の種類ごとに必要事項と記録対象を判定し、取引の都度記載します。
| 買受け・交換・売却委託を受けた場合 | 対象となる取引について、年月日、品目・数量、特徴、相手方の住所・氏名・職業・年齢、確認方法等を記録します。 |
|---|---|
| 売却・交換した場合の対象品目 | 売却側の記録義務は、美術品類、時計・宝飾品類、自動車(部分品を含む)、自動二輪車・原付(対価総額1万円未満の部分品を除く)について確認します。 |
| 商品を特定する特徴 | メーカー、型番、シリアル、車台番号、色、傷、刻印、付属品等を商品管理番号と紐付けます。 |
| 記録する時期 | 週末や月末にまとめず、取引の都度記載します。 |
| 帳簿の保存期間 | 帳簿は最終記載の日から3年間保存します。 |
| 電磁的記録の保存期間 | 電磁的記録は記録した日から3年間、検索・提示できる状態で保存します。 |
すべての売却を同じ扱いにせず、売却側の法定記録対象品目を商品マスタへ設定します。一方、在庫・税務・顧客対応のため任意に広く記録することは有効です。
非対面買取
宅配・オンライン買取では、法令に定められた方法から選択します。
| 本人限定受取郵便等 | 古物商から相手方へ送付し、到達を確かめる方法。 |
|---|---|
| 印鑑登録証明書と押印書面 | 相手方から証明書と登録印を押した書面の送付を受けます。 |
| 電子署名・公的個人認証 | 法定要件を満たす電子的な確認方法。 |
| 転送不要郵便・口座等の組合せ | 送付・到達・送金を組み合わせる方法を確認します。 |
| eKYC | サービスが古物営業法のどの方法を満たすかを確認します。 |
運転免許証のコピーや撮影画像を送ってもらうだけでは、非対面本人確認として足りません。
貴金属・特定金属くずの追加確認
商品によって古物営業法以外の規制も関係します。
| 宝石・貴金属等 | 犯罪収益移転防止法上の本人特定事項確認、疑わしい取引の届出等を確認します。 |
|---|---|
| 使用可能な室外機・電線等 | 古物なら2025年10月改正後の少額取引ルールを適用します。 |
| 使用不能の金属くず | 特定金属くずに該当する場合、2026年6月1日施行制度の開始届・本人確認・記録等を確認します。 |
| 奈良県条例との関係 | 奈良県金属くず営業条例は2026年6月1日に廃止されたため、現行制度を確認します。 |
同じ銅線でも、本来用途で使用可能な古物か、使用不能の金属くずかで制度が分かれる可能性があります。
手続きを進める順序
買受け、売却、交換、委託、対面・非対面を分けます。
1万円基準と少額例外品目を確認します。
法定方法で住所・氏名・職業・年齢を確認します。
型番・シリアル・傷等を商品管理番号と紐付けます。
取引日、相手方、方法を取引時に記載します。
盗品・マネロン・特定金属くずの追加対応を確認します。
定期的に記載漏れと本人確認証跡を点検します。
- 1万円以上の全古物で本人確認・記録を行う
- 少額でも免除されない品目を共有した
- 非対面買取を免許証画像だけで済ませない
- 台帳に商品特徴・確認方法を記録する
- 商品番号と仕入・販売履歴を紐付けた
- 貴金属等の犯収法対応を確認した
- 特定金属くずの制度を別途確認した
確認しておきたいポイント
9,000円の古本買取なら本人確認不要ですか?
書籍は1万円未満でも免除されない品目に含まれるため、本人確認・帳簿記載を行います。
免許証コピーをメールでもらえば宅配買取できますか?
コピー受領だけでは不十分です。法定の非対面確認方法を採用します。
古物台帳は何年間保存しますか?
帳簿は最終記載の日から3年間、電磁的記録は記録した日から3年間保存します。警察の照会時に取引を検索・提示できる状態にします。
買取時の本人確認と古物台帳を整えたい方へ
商品、取引金額、対面・非対面、買受け・売却の別を確認し、本人確認方法、記録項目、3年間の保存方法を設計します。
古物商許可についてさらに確認する
※本人確認・帳簿義務は金額、品目、取引類型で異なります。少額例外品目と売却側の記録対象をスタッフ向け判定表へ反映してください。
