建設業許可の決算変更届とは?毎年必要な書類・4か月以内の期限・出し忘れリスクを解説
建設業許可を取得した事業者は、毎事業年度終了後に「決算変更届」を提出する必要があります。
決算変更届は、建設業許可を取得した後に毎年必要になる重要な手続きです。
会社の商号や役員に変更がない場合でも、建設業許可を持っている限り、原則として毎年提出する必要があります。
提出期限は、事業年度終了後4か月以内です。
たとえば、3月決算の法人であれば、原則として7月末までに決算変更届を提出する必要があります。
決算変更届を出していないと、建設業許可の更新申請や業種追加申請の際に問題になることがあります。
特に、5年分の決算変更届をまとめて作成する場合、工事経歴書や財務諸表の整理に時間がかかり、更新期限が近いと慌てることになります。
「決算変更届を毎年出していない」「5年分をまとめて提出したい」「更新期限が近い」「税理士の決算書をそのまま出せるのか分からない」という場合は、早めに未提出年度と必要書類を整理することが重要です。
この記事では、建設業許可の決算変更届とは何か、提出期限、必要書類、税理士の決算書との違い、出し忘れた場合のリスク、行政書士に相談した方がよいケースについて解説します。
この記事で分かること
- 建設業許可の決算変更届とは何か
- 決算変更届の提出期限
- 決算変更届で必要になる主な書類
- 税理士の決算書をそのまま使えない理由
- 決算変更届を出し忘れた場合のリスク
- 更新申請・業種追加との関係
- 5年分をまとめて提出する場合の注意点
- 奈良県で決算変更届を依頼したい場合のポイント
決算変更届を出していない建設業者の方へ
決算変更届は、建設業許可を取得した後に毎年必要になる手続きです。未提出の年度があると、更新申請や業種追加の前にまとめて整理が必要になることがあります。更新期限が近い場合は、まず未提出年度がないか確認しましょう。
建設業許可の決算変更届とは
建設業許可の決算変更届とは、建設業許可を受けた事業者が、毎事業年度終了後に、工事実績や財務内容などを許可行政庁へ届け出る手続きです。
「決算変更届」という名前ですが、会社の商号や役員を変更する届出とは別のものです。
実務上は、「事業年度終了届」「決算報告」「決算変更届」などと呼ばれることがあります。
建設業許可を取得している事業者は、事業年度ごとに工事経歴、施工金額、財務諸表などを提出し、許可行政庁へ事業状況を報告します。
毎年提出が必要
決算変更届は、建設業許可を持っている限り、毎年提出が必要です。
会社の役員、営業所、資本金などに変更がない場合でも、決算変更届は提出します。
「会社情報に変更がないから何も出さなくてよい」と考えていると、更新申請の直前に未提出が判明することがあります。
決算変更届は許可後の管理で特に重要
建設業許可は、取得して終わりではありません。
取得後も、決算変更届、変更届、更新申請、建設業許可票の掲示など、継続的な管理が必要です。
その中でも決算変更届は毎年発生するため、提出漏れが起きやすい手続きです。
建設業許可を取得した後の管理については、 建設業許可を取得した後に必要な手続きとは?決算変更届・変更届・更新の注意点 もご覧ください。
注意点
決算変更届は、建設業許可を持っている事業者が毎年行う手続きです。会社に変更がない場合でも、事業年度ごとの工事実績や財務内容を届け出る必要があります。
決算変更届の提出期限
決算変更届の提出期限は、事業年度終了後4か月以内です。
法人の場合は、会社の決算日を基準に期限を確認します。
個人事業主の場合は、原則として12月31日が事業年度終了日になるため、翌年4月末までが目安になります。
| 決算月 | 提出期限の目安 | 注意点 |
|---|---|---|
| 3月決算 | 7月末まで | 法人で多い決算月です。 |
| 6月決算 | 10月末まで | 税務申告後に早めに準備します。 |
| 9月決算 | 翌年1月末まで | 年末年始を挟むため早めの準備が必要です。 |
| 12月決算 | 翌年4月末まで | 個人事業主もこの時期が目安になります。 |
税務申告後すぐに準備する
決算変更届は、税務申告が終わってから準備することが多い手続きです。
ただし、税務申告が終わってから提出期限までの期間は限られています。
工事経歴書、直前3年の工事施工金額、建設業用の財務諸表などを作成する必要があるため、決算後は早めに準備を進めることが重要です。
期限後でも放置しない
提出期限を過ぎてしまった場合でも、決算変更届を放置してよいわけではありません。
未提出のままにしていると、更新申請や業種追加申請の前にまとめて提出が必要になることがあります。
期限を過ぎている場合は、まず未提出の年度を確認し、早めに整理しましょう。
提出期限のポイント
決算変更届は、事業年度終了後4か月以内に提出します。期限を過ぎている場合でも、未提出のまま放置せず、できるだけ早く提出状況を整理しましょう。
決算変更届で必要になる主な書類
決算変更届で必要になる書類は、法人・個人、知事許可・大臣許可、経営事項審査を受けるかどうかなどによって変わります。
一般的には、次のような書類を準備します。
| 書類 | 内容 | 注意点 |
|---|---|---|
| 変更届出書 | 決算報告用の届出書 | 事業年度や許可番号などを記載します。 |
| 工事経歴書 | その年度の主な工事実績を記載する書類 | 業種ごとに工事内容や請負金額を整理します。 |
| 直前3年の工事施工金額 | 過去3年分の施工金額を整理する書類 | 許可業種ごとに集計します。 |
| 財務諸表 | 貸借対照表、損益計算書、株主資本等変動計算書、注記表など | 建設業用の様式へ組み替える必要があります。 |
| 事業報告書 | 株式会社などで必要になることがある書類 | 法人の種類によって確認します。 |
| 納税証明書 | 税金の納付状況を示す書類 | 取得先や証明税目を確認します。 |
工事経歴書
工事経歴書は、その事業年度に請け負った主な建設工事を記載する書類です。
工事名、工事場所、注文者、請負代金、工期、配置技術者などを整理します。
工事経歴書は、建設業許可業種ごとに作成するため、どの工事がどの業種に該当するかの整理が必要です。
経営事項審査を受ける場合は、工事経歴書の作成方法がより重要になります。
直前3年の工事施工金額
直前3年の工事施工金額は、過去3年分の完成工事高などを整理する書類です。
許可業種ごとの工事金額を整理する必要があるため、日頃から工事内容や請負金額を分類しておくと作成しやすくなります。
決算書上の売上高だけでなく、建設業許可業種ごとにどう整理するかがポイントになります。
財務諸表
決算変更届では、建設業法に基づく様式の財務諸表を提出します。
税務申告で作成した決算書を、そのまま提出できるわけではありません。
貸借対照表、損益計算書、完成工事原価報告書、株主資本等変動計算書、注記表などを、建設業用の様式に合わせて作成します。
納税証明書
決算変更届では、納税証明書が必要になることがあります。
知事許可か大臣許可か、法人か個人かによって、取得する納税証明書の種類や取得先が変わることがあります。
提出前に、どの税目の納税証明書が必要か確認しましょう。
必要書類の注意点
決算変更届では、税務申告書類をそのまま提出するのではなく、建設業許可用の様式に合わせて工事経歴書や財務諸表を作成します。特に工事経歴書と財務諸表の作成には注意が必要です。
税理士の決算書をそのまま提出できるか
決算変更届でよくある誤解が、「税理士が作った決算書をそのまま提出すればよい」というものです。
税務申告用の決算書と、建設業許可用の財務諸表は目的や様式が異なります。
そのため、税理士が作成した決算書の内容をもとに、建設業許可用の様式へ組み替える必要があります。
税務申告用と建設業許可用では様式が違う
税務申告用の決算書は、税金の計算や申告を目的として作成されます。
一方、建設業許可用の財務諸表は、建設業者の経営状況を許可行政庁へ報告するための書類です。
勘定科目の表示や様式が異なるため、決算書の数字を建設業用の様式へ整理する必要があります。
完成工事高・兼業売上の区分が重要
建設業許可用の財務諸表では、完成工事高や兼業売上の区分が重要になります。
建設工事による売上なのか、建設工事以外の売上なのかを整理する必要があります。
複数の事業を行っている場合や、建設業以外の売上がある場合は、決算変更届の作成で迷いやすくなります。
税理士と行政書士で役割が違う
税理士は、税務申告や会計処理の専門家です。
行政書士は、建設業許可や変更届、決算変更届などの許認可手続きに関する書類作成を扱います。
税理士が作成した決算書をもとに、建設業許可用の財務諸表へ組み替える場合は、建設業許可の手続きに合わせた整理が必要です。
決算書をそのまま出せるわけではありません
税理士が作成した決算書は、決算変更届の基礎資料にはなりますが、そのまま提出するものではありません。建設業許可用の財務諸表や工事経歴書として整理し直す必要があります。
決算変更届を出し忘れた場合のリスク
決算変更届を出し忘れると、建設業許可の管理上さまざまな問題が生じます。
特に、更新申請、業種追加、経営事項審査を予定している場合は注意が必要です。
建設業許可の更新が進まないことがある
決算変更届が未提出のままでは、建設業許可の更新申請がスムーズに進まないことがあります。
更新申請の前に、過去の決算変更届が提出されているかを確認されるためです。
更新期限が近い場合は、まず過去の決算変更届がすべて提出済みかを確認する必要があります。
更新申請については、 建設業許可の更新申請とは?期限・必要書類・注意点を解説 もご覧ください。
業種追加が遅れることがある
建設業許可の業種追加を行う場合も、決算変更届の提出状況が確認されることがあります。
未提出の年度がある場合、先に決算変更届を整理しなければならないことがあります。
元請から別業種の許可を求められている場合、未提出の決算変更届が原因で業種追加が遅れると、受注に影響する可能性があります。
業種追加については、 建設業許可の業種追加とは?要件・必要書類・注意点を解説 もご覧ください。
経営事項審査を受けられないことがある
公共工事を受注したい場合、経営事項審査を受けることがあります。
経営事項審査では、決算変更届の内容が重要な基礎資料になります。
決算変更届が提出されていないと、経営事項審査の準備が進まないことがあります。
5年分まとめて作る負担が大きい
決算変更届を毎年提出していない場合、更新申請の前に5年分をまとめて作成しなければならないことがあります。
5年分の工事経歴書、直前3年の工事施工金額、財務諸表、納税証明書などを整理するのは大きな負担です。
古い年度の資料が見つからない、工事内容を思い出せない、請負金額の整理が難しいといった問題も起こりやすくなります。
出し忘れた場合の注意点
決算変更届を出し忘れている場合は、未提出年度を確認し、できるだけ早く整理することが重要です。更新期限が近い場合は、決算変更届の未提出が更新申請に影響する可能性があります。
決算変更届と変更届の違い
建設業許可の許可後手続きでは、「決算変更届」と「変更届」があります。
名前が似ていますが、内容は異なります。
| 届出 | 内容 | 提出時期 |
|---|---|---|
| 決算変更届 | 事業年度ごとの工事実績・財務内容の届出 | 事業年度終了後4か月以内 |
| 変更届 | 商号、役員、営業所、専任技術者などの変更 | 変更内容に応じて14日以内・30日以内など |
決算変更届は毎年の報告
決算変更届は、毎年の決算内容や工事実績を報告する手続きです。
会社の情報に変更がなくても、建設業許可を持っている限り毎年提出します。
変更届は会社情報や許可要件の変更
一方、変更届は、商号、代表者、役員、営業所、専任技術者、経営業務の管理責任者等に変更があった場合に提出する手続きです。
変更届については、 建設業許可の変更届とは?必要になるケース・提出期限・注意点を解説 もご覧ください。
決算変更届を作成する前に確認すべきポイント
決算変更届を作成する前には、次の点を整理しておくと進めやすくなります。
- 対象となる事業年度
- 決算書・申告書が手元にあるか
- 工事経歴を整理できるか
- 許可業種ごとの完成工事高を分けられるか
- 兼業売上があるか
- 納税証明書が必要か
- 経営事項審査を受ける予定があるか
- 過去に未提出の年度がないか
- 更新期限が近づいていないか
工事経歴を日頃から整理する
決算変更届では、工事経歴書の作成が必要になります。
工事名、注文者、工事場所、工期、請負金額、許可業種などを毎年整理しておくと、決算変更届の作成がスムーズになります。
特に複数業種の許可を持っている場合や、元請・下請の工事が混在している場合は、業種ごとの整理が重要です。
更新期限を同時に確認する
決算変更届を作成する際は、建設業許可の更新期限も確認しましょう。
更新期限が近い場合、未提出の決算変更届を先に整理しなければならないことがあります。
建設業許可の更新申請については、 建設業許可の更新申請とは?期限・必要書類・注意点を解説 もご覧ください。
作成前のポイント
決算変更届では、決算書だけでなく、工事経歴、許可業種ごとの完成工事高、建設業用の財務諸表を整理する必要があります。更新期限が近い場合は、未提出年度の有無も確認しましょう。
決算変更届の費用
決算変更届は、建設業許可を維持するために毎年必要な手続きです。
行政書士に依頼する場合、報酬額は事務所や作業内容によって異なります。
一般的には、1期分あたり33,000円から55,000円程度が目安になることがあります。
| ケース | 費用の目安 | 注意点 |
|---|---|---|
| 通常の決算変更届 | 33,000円〜55,000円程度 | 工事経歴や財務諸表の整理内容で変わります。 |
| 複数年分をまとめて提出 | 年度数に応じて加算 | 5年分などをまとめる場合は負担が大きくなります。 |
| 経審対応がある場合 | 別途見積りになることがあります | 工事経歴書の整理がより重要になります。 |
費用は、工事経歴の件数、財務諸表の整理内容、兼業売上の有無、経営事項審査を受けるかどうか、未提出年度の数によって変わります。
建設業許可全体の費用については、 建設業許可の費用相場はいくら?申請手数料・行政書士報酬・総額の目安を解説 もご覧ください。
行政書士に相談した方がよいケース
決算変更届は、自社で作成することも可能です。
しかし、工事経歴書や建設業用の財務諸表の作成で迷うことがあります。
次のような場合は、行政書士に相談することで進めやすくなります。
- 決算変更届を毎年出していない
- 5年分をまとめて提出したい
- 更新期限が近い
- 工事経歴書の書き方が分からない
- 税理士の決算書を建設業用に組み替えられない
- 完成工事高と兼業売上の区分に迷う
- 業種追加の前に未提出分を整理したい
- 経営事項審査を受ける予定がある
- 奈良県で建設業許可の決算変更届を依頼したい
行政書士に相談することで、対象年度、必要書類、工事経歴、財務諸表、未提出年度、更新申請との関係を整理しやすくなります。
特に、更新期限が近い場合や、複数年分の決算変更届をまとめて提出する場合は、早めに状況を確認することが重要です。
決算変更届・更新前の未提出整理でお困りの方へ
決算変更届は毎年提出が必要です。未提出の年度がある場合は、更新申請や業種追加の前にまとめて整理が必要になることがあります。更新期限が近い場合は、対象年度、工事経歴、財務諸表、納税証明書を早めに確認しましょう。
建設業許可の決算変更届に関するよくある質問
決算変更届は毎年提出する必要がありますか?
はい。建設業許可を持っている事業者は、毎事業年度終了後に決算変更届を提出する必要があります。
会社情報に変更がない場合でも、工事実績や財務内容を報告するために提出します。
決算変更届の提出期限はいつですか?
事業年度終了後4か月以内です。
3月決算の法人であれば7月末まで、12月決算の個人事業主であれば翌年4月末までが目安になります。
税理士が作った決算書をそのまま提出できますか?
そのまま提出できるわけではありません。
税務申告用の決算書をもとに、建設業許可用の財務諸表へ組み替える必要があります。完成工事高や兼業売上の区分にも注意が必要です。
決算変更届を出していないと更新できませんか?
未提出の決算変更届がある場合、更新申請の前に未提出分を整理する必要があることがあります。
更新期限が近い場合は、過去の決算変更届がすべて提出済みかを早めに確認しましょう。
5年分まとめて提出できますか?
未提出年度がある場合、複数年分をまとめて整理することがあります。
ただし、年度ごとに工事経歴書、財務諸表、納税証明書などを整理する必要があり、古い資料が不足していると時間がかかります。
決算変更届と変更届は同じものですか?
同じものではありません。
決算変更届は毎年の工事実績や財務内容の報告です。変更届は、商号、役員、営業所、専任技術者などに変更があった場合の届出です。
決算変更届は行政書士に依頼できますか?
依頼できます。
工事経歴書や建設業用の財務諸表の作成で迷う場合、未提出年度がある場合、更新期限が近い場合は、行政書士に相談することで進めやすくなります。
まとめ
建設業許可の決算変更届は、建設業許可を受けた事業者が毎事業年度終了後に提出する手続きです。
提出期限は、事業年度終了後4か月以内です。
会社情報に変更がない場合でも、建設業許可を持っている限り、毎年提出する必要があります。
決算変更届では、工事経歴書、直前3年の工事施工金額、建設業用の財務諸表、納税証明書などを準備します。
税理士が作成した決算書は基礎資料になりますが、そのまま提出するものではなく、建設業許可用の様式へ組み替える必要があります。
決算変更届を出し忘れていると、建設業許可の更新申請や業種追加申請の際に問題になることがあります。
更新期限が近い場合や、未提出の年度がある場合は、早めに決算変更届の提出状況を整理しましょう。
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決算変更届・更新前の未提出整理でお困りの方へ
建設業許可の決算変更届は、毎年提出が必要です。未提出の年度があると、更新申請や業種追加の前にまとめて整理が必要になることがあります。
「決算変更届を毎年出していない」
「5年分をまとめて提出したい」
「更新期限が近い」
「工事経歴書の作り方が分からない」
「税理士の決算書を建設業用に組み替えられない」
「業種追加の前に未提出分を整理したい」
「奈良県で建設業許可の決算変更届を依頼したい」
このような場合は、対象年度、工事経歴、財務諸表、納税証明書、更新期限を早めに整理することが重要です。奈良県で建設業許可の決算変更届・更新申請をご検討中の方は、行政書士だいとう事務所へご相談ください。
