宅建業で支店を開設するには?従たる事務所の追加・専任宅建士・保証協会の手続きを解説
宅建業の支店開設は、法人登記に支店を追加するだけでは完了しません。支店を置く都道府県、事務所の実体、責任者、専任宅建士、保証制度をまとめて確認します。
奈良県内だけで事務所を増やす場合と、大阪府など他府県に事務所を設ける場合では、必要な免許手続きが異なります。
同一県内の追加は知事免許の変更、他府県への追加は大臣免許への免許換えを検討します。
支店ごとに契約権限を持つ責任者と、法定人数の専任宅建士を配置します。
従たる事務所1か所ごとに、供託または保証協会の追加負担が生じます。
同一県内と他府県で異なる手続き
| 奈良県内に支店を追加 | 奈良県知事免許のまま、事務所・政令使用人・専任宅建士等の変更届を行います。 |
|---|---|
| 奈良県外に初めて支店を追加 | 2以上の都道府県に事務所を置くため、国土交通大臣免許への免許換え新規申請を検討します。 |
| 大臣免許業者が支店を追加 | 大臣免許の変更届と、支店所在地側の保証制度・宅建士関係手続きを確認します。 |
| 単なる営業拠点・案内所 | 契約権限や継続的施設の有無により「事務所」か、50条2項の届出対象となる案内所かを区別します。 |
名称ではなく、継続的に宅建業務を行い、契約締結権限を持つ者がいるかなどの実態で判断します。反対に、登記上の支店でも宅建業を行わない場所は、宅建業法上の事務所に当たらないことがあります。
支店に必要な要件
独立した事務所
固定した場所、使用権限、来客対応、通信設備、書類保管、標識掲示ができる状態を整えます。
政令使用人等
代表者が常勤しない支店では、宅建業に関する契約締結権限を持つ責任者を明確にします。
専任宅建士
支店の宅建業従事者5人に1人以上の割合で、常勤・専任の宅建士を配置します。
営業保証金を供託している場合は、従たる事務所1か所につき500万円の追加供託が基本です。保証協会加入の場合は、弁済業務保証金分担金として1か所につき30万円に加え、協会・支部の追加費用や手続きを確認します。
準備する書類・資料
| 事務所関係 | 賃貸借契約書、使用承諾書、案内図、平面図、外観・入口・室内写真など |
|---|---|
| 政令使用人関係 | 略歴書、身分証明書、登記されていないことの証明書、権限・勤務状況を示す資料など |
| 専任宅建士関係 | 専任宅建士設置証明書、略歴書、宅建士証の写し、雇用・勤務実態を確認する資料など |
| 法人関係 | 支店設置や本店変更を伴う場合の登記事項証明書、役員会議事録等 |
| 保証制度 | 営業保証金の追加供託書類、または保証協会の従たる事務所追加手続書類 |
支店開設までの流れ
契約締結、申込み受付、顧客対応をどこまで行うか整理します。
同一県内の追加か、他府県への展開かを確認します。
事務所要件、政令使用人、専任宅建士を契約前に確認します。
変更届または免許換え申請に必要な順序で準備します。
供託または保証協会の支店追加手続きを完了します。
宅建業者票、報酬額表、従業者証明書、帳簿を支店単位で準備します。
- 支店予定地がどの都道府県にあるか確認した
- 支店で契約や申込み受付を行うか決めた
- 政令使用人と専任宅建士の勤務開始日を決めた
- 保証協会・供託の追加費用と日程を確認した
- 免許手続き完了前に支店営業を開始しない計画にした
確認しておきたいポイント
奈良県内の支店追加なら新規免許は不要ですか?
奈良県内だけに事務所を置く状態であれば、通常は奈良県知事免許の変更届で対応します。ただし、事務所要件・人員・保証制度の追加が必要です。
大阪府に支店を出す場合は変更届だけでよいですか?
奈良県と大阪府の2府県に事務所を置くため、国土交通大臣免許への免許換え新規申請を検討します。
支店長は宅建士でなければなりませんか?
政令使用人と専任宅建士は別の役割です。同一人物が両方の要件を満たして兼ねる場合もありますが、資格・常勤性・契約権限をそれぞれ確認します。
宅建業の支店開設を予定している方へ
支店所在地、業務内容、責任者、専任宅建士、保証協会加入状況を確認し、変更届か免許換えかを整理します。
宅建業免許についてさらに確認する
※事務所区分、提出書類、保証協会の費用・日程は個別状況で異なります。開設時点の最新案内をご確認ください。
