個人の宅建業を法人化するには?個人免許から法人免許へ切り替える手続きを解説
個人事業主と設立した法人は、法律上別の免許申請者です。個人免許の商号を会社名へ変える変更届ではなく、法人による新規免許と個人の廃業手続きを組み合わせます。
法人免許が使えるようになる前に個人免許を廃止すると営業の空白が生じるため、設立・申請・保証制度・契約切替えの順序が重要です。
個人免許を法人へ名義変更するのではなく、法人名義で新規申請します。
法人の免許・保証制度完了後に、個人事業の廃業時期を調整します。
媒介契約、賃貸借契約、預り金、ポータル、従業員を法人へ適切に移します。
個人免許と法人免許の違い
| 免許を受ける者 | 個人免許は事業主本人、法人免許は設立された会社です。 |
|---|---|
| 変更届での切替え | 個人から法人への変更は、商号変更や代表者変更の変更届では対応できません。 |
| 免許申請 | 法人について、役員・事務所・専任宅建士・欠格事由等を新たに審査します。 |
| 保証制度 | 法人名義で営業保証金の供託または保証協会加入手続きを行います。 |
| 個人免許 | 法人営業へ切り替えた後、個人の宅建業について廃業等届を行います。 |
法人登記が完了しても、法人の宅建業免許、保証制度、免許証交付、標識等の準備が整うまでは、法人名義で宅建業を開始できません。
会社設立前に決めること
事業目的
定款・登記の目的に、宅地建物取引業、不動産の売買・交換・賃貸の代理・媒介等を事業内容に合わせて記載します。
役員構成
代表者・取締役・監査役等について欠格事由を確認し、申請資料を取得できる体制にします。
事務所契約
個人名義の賃貸借契約を法人が使用する場合、名義変更・転貸承諾・使用承諾の方法を貸主と調整します。
所在地や代表者が同じでも、申請者が法人へ変わります。賃貸借契約、雇用契約、社会保険、電話・看板、専任宅建士の勤務先登録を法人名義へ整えます。
法人免許の準備
| 法人関係 | 履歴事項全部証明書、法人税の納税証明書、決算書または開始貸借対照表、役員関係書類など |
|---|---|
| 事務所関係 | 法人が使用できることを示す賃貸借契約書・使用承諾書、平面図、写真、案内図など |
| 専任宅建士 | 法人との雇用・役員関係、常勤性、宅建士証、勤務開始日、資格登録簿の勤務先変更など |
| 保証制度 | 法人名義の営業保証金供託、または法人としての保証協会加入手続き |
| 個人事業との関係 | 個人の廃業日、既存契約、預り金、従業員、資産・負債の移行方法 |
営業・契約の切替え
設立日、免許申請日、法人営業開始日を決めます。
目的、役員、本店、資本金、決算期を登記します。
法人・役員・事務所・宅建士の書類を提出します。
供託または保証協会加入後、法人免許証を受領します。
標識、広告、口座、ポータル、契約書式、従業者証明書を法人名義にします。
未処理案件と顧客対応を確認して廃業等届を行います。
- 法人の事業目的に宅建業を反映した
- 事務所の使用契約を法人名義で説明できる
- 専任宅建士の雇用・勤務先切替えを整理した
- 保証協会へ法人化の手順と費用を確認した
- 個人名義の媒介契約・預り金・広告の移行方法を決めた
確認しておきたいポイント
個人免許の免許番号を法人で引き継げますか?
法人は別の免許申請者となるため、法人として新規免許を受けます。個人免許の番号をそのまま名義変更する手続きではありません。
法人の代表者が個人事業主本人なら変更届でよいですか?
代表者が同じでも、個人と法人は別主体です。法人の新規免許が必要です。
法人免許が出る前に個人事業を廃業してもよいですか?
営業を継続する予定なら空白期間が生じるため、法人免許と保証制度の完了時期を確認して廃業日を決めます。
個人の宅建業を法人化したい方へ
会社設立、法人免許、保証協会、既存契約、個人廃業の順序を整理し、営業の空白を避ける計画を作ります。
宅建業免許についてさらに確認する
※会社設立、税務、社会保険、契約承継には宅建業免許以外の手続きもあります。関係専門家と役割を分けて進めてください。
