飲食店を閉店するときは何が必要?飲食店営業許可の廃業届の手続きと注意点を解説

飲食店を閉店する場合、「営業をやめるだけでよいのか」「保健所に何か手続きが必要なのか」と迷うことがあります。

飲食店営業許可を受けて営業していた店舗を廃止する場合は、管轄の保健所へ廃業届を提出する必要があります。

営業をやめたからといって、何も手続きをしないまま放置してよいわけではありません。

特に、店舗を閉店する場合、別の人へ店舗を引き継ぐ場合、居抜きで譲渡する場合、法人を解散する場合などは、廃業届だけでよいのか、名義変更や新規許可が必要なのかを整理する必要があります。

手続きを誤ると、前の許可が残ったままになったり、新しい営業者の許可申請に影響したりする可能性があります。

この記事では、飲食店営業許可の廃業届が必要になるケース、提出の流れ、必要書類、廃業届を出さない場合の注意点、店舗を引き継ぐ場合の手続きについて解説します。

この記事で分かること

  • 飲食店営業許可の廃業届が必要になるケース
  • 廃業届を出すタイミング
  • 廃業届に必要になりやすい書類
  • 閉店・譲渡・承継で注意すべきポイント
  • 廃業届を出さない場合のリスク
  • 再開予定や別店舗で営業する場合の考え方

飲食店を閉店・譲渡する予定がある方へ

飲食店営業許可を受けた店舗を閉店する場合は、営業をやめるだけでなく、保健所への廃業届が必要になります。店舗を他人に引き継ぐ場合は、廃業届、新規許可、変更届のどれが必要になるのかを事前に整理しておくことが重要です。

飲食店営業許可の廃業届とは?

飲食店営業許可の廃業届とは、許可を受けていた飲食店の営業をやめた場合に、管轄の保健所へ届け出る手続きです。

飲食店営業許可は、営業を始めるために必要な許可ですが、営業をやめる場合にも手続きが必要です。

店舗を閉店した、営業を完全に終了した、許可を受けていた営業を行わなくなったといった場合には、廃業届の提出を検討する必要があります。

廃業届を出すことで、保健所に対して「この営業許可に基づく営業は終了しました」と届け出ることになります。

閉店しただけでは手続きが終わらない

店舗を閉めたとしても、保健所への届出をしなければ許可情報が残ったままになることがあります。閉店・廃業・譲渡の予定がある場合は、必要な手続きを早めに確認しましょう。

廃業届が必要になる主なケース

飲食店営業許可の廃業届が必要になるのは、現在の営業許可に基づく営業を終了する場合です。

例えば、次のようなケースが考えられます。

ケース 内容
店舗を閉店した 飲食店としての営業を完全に終了した場合です。
営業をやめた 店舗は残っていても、許可を受けた営業を行わなくなった場合です。
店舗を譲渡した 前営業者としての営業を終了する場合、廃業届が必要になることがあります。
別の営業者に引き継ぐ 新しい営業者が別に許可を取得する場合、前営業者側の廃業手続きも確認します。
法人を解散した 法人名義で受けていた許可について、営業終了の届出が必要になる場合があります。
許可業種をやめた 複数の営業許可のうち、一部の営業をやめる場合も確認が必要です。

単に店を閉めるだけでなく、店舗を他人に譲渡する場合や、営業主体が変わる場合にも注意が必要です。

飲食店営業許可の名義変更・承継については、 飲食店営業許可の名義変更はできる?事業承継・譲渡時に必要な手続きを解説 もご覧ください。

廃業届を出すタイミング

廃業届は、飲食店営業を廃止した場合に提出します。

提出期限や必要な手続きは自治体によって異なる場合があるため、閉店日や営業終了日が決まった段階で、管轄保健所へ確認しておくと安心です。

特に、次のような場合は早めに確認しましょう。

  • 閉店日が決まっている
  • 店舗を居抜きで譲渡する予定がある
  • 新しい営業者がすぐに営業を始める予定がある
  • 法人の解散や個人事業の廃止を予定している
  • 別店舗へ移転する予定がある
  • 今後再開する可能性がある

廃業届を出すタイミングが遅れると、前営業者の許可が残ったままになり、新しい営業者の申請や店舗引継ぎの整理が複雑になることがあります。

閉店や譲渡の予定がある場合は、営業終了日から逆算して手続きを確認しておきましょう。

廃業届に必要になりやすい書類

飲食店営業許可の廃業届で必要になる書類は、管轄保健所や店舗の状況によって異なる場合があります。

一般的には、次のような書類や情報を準備することがあります。

書類・情報 内容
廃業届 保健所所定の様式に、営業者情報や営業所情報などを記載します。
営業許可証 廃業する許可を確認するため、返納や提示を求められる場合があります。
営業者情報 個人名、法人名、住所、連絡先などを確認します。
営業所情報 店舗名、所在地、許可番号などを確認します。
廃止日 実際に営業をやめた日を記載する場合があります。
本人確認・委任状 代理人が手続きする場合などに必要になることがあります。

営業許可証を紛失している場合や、法人名義の許可で代表者が変更されている場合などは、追加の確認が必要になることがあります。

書類の不足を防ぐためにも、事前に管轄保健所へ確認しておきましょう。

廃業届の手続きの流れ

飲食店営業許可の廃業届は、一般的に次のような流れで進めます。

手順 内容
1. 営業終了日を確認する いつ営業を終了したのか、または終了する予定なのかを整理します。
2. 現在の営業許可証を確認する 許可番号、営業者名、営業所所在地、有効期限を確認します。
3. 管轄保健所へ確認する 提出方法、必要書類、許可証の返納方法を確認します。
4. 廃業届を作成する 営業者情報、営業所情報、廃止日などを記載します。
5. 保健所へ提出する 必要書類を添えて、管轄保健所へ提出します。
6. 控えを保管する 提出後の控えや関連資料を保管しておきます。

廃業届は、営業をやめた事実を届け出る手続きです。

新しい店舗で営業を始める場合や、別の営業者が同じ店舗で営業する場合は、廃業届とは別に新規許可申請が必要になることがあります。

奈良県で飲食店営業許可を取得する流れについては、 奈良県で飲食店営業許可を取得するには?申請の流れ・必要書類・注意点を解説 もご覧ください。

廃業届を出さない場合の注意点

飲食店営業をやめたにもかかわらず廃業届を出していない場合、許可情報が残ったままになることがあります。

すぐに問題が表面化しない場合でも、後から手続きの整理が必要になることがあります。

廃業届を出さない場合に考えられる注意点は、次のとおりです。

注意点 内容
許可情報が残る 実際には営業していないのに、許可上は営業が残っている状態になることがあります。
新しい営業者の手続きが複雑になる 同じ店舗で別の人が営業する場合、前営業者の許可との整理が必要になることがあります。
保健所から確認が入る可能性 営業実態や許可状況について確認される場合があります。
後日の手続きが面倒になる 許可証の紛失や営業者情報の変更により、手続きが複雑になることがあります。

閉店や営業終了が決まっている場合は、後回しにせず、廃業届の要否を確認しておくことが大切です。

店舗を譲渡する場合は廃業届だけでよい?

店舗を他人に譲渡する場合、前営業者側の廃業届だけで手続きが完了するとは限りません。

新しい営業者が同じ店舗で飲食店を営業する場合は、新しい営業者として飲食店営業許可を取得する必要があるかを確認する必要があります。

特に、居抜き物件や営業中店舗の譲渡では、次の点に注意しましょう。

  • 前営業者の廃業届をいつ出すか
  • 新営業者の許可申請をいつ出すか
  • 営業を止める期間が発生するか
  • 厨房設備が現在の基準に合っているか
  • 前営業者と新営業者の営業内容が同じか
  • 許可が下りる前に営業してしまわないか

店舗を譲り受ける側は、「前の店が営業していたから大丈夫」と考えず、新しい営業者として許可が必要かどうかを確認する必要があります。

居抜き物件での開業については、 奈良県で居抜き物件を使って飲食店を開業するには?営業許可の注意点を解説 もご覧ください。

一時休業の場合も廃業届が必要?

一時的に営業を休むだけの場合と、営業を完全にやめる場合では、手続きの考え方が異なります。

廃業届は、原則として営業を廃止する場合に提出するものです。

そのため、将来的に同じ営業者が同じ店舗で営業を再開する予定がある場合は、廃業届を出すべきかどうかを慎重に確認する必要があります。

状況 確認ポイント
一時休業 営業再開予定がある場合、廃業届を出すべきか保健所へ確認します。
完全閉店 営業を終了する場合は、廃業届の提出を確認します。
移転予定 元店舗の廃業届と、新店舗での新規許可申請を整理します。
営業者変更 前営業者の廃業届と、新営業者の許可申請を確認します。

一時休業なのか、完全な廃業なのかによって取扱いが変わる可能性があります。

判断に迷う場合は、自己判断で廃業届を出す前に、管轄保健所へ確認しましょう。

移転する場合は廃業届と新規許可の確認が必要

飲食店を別の場所へ移転する場合、元の店舗の許可をそのまま新店舗で使えるわけではありません。

飲食店営業許可は、営業者だけでなく、営業所の所在地や施設設備を前提に審査されます。

そのため、移転する場合は、元店舗について廃業届が必要になるか、新店舗で新規許可申請が必要になるかを確認する必要があります。

移転を予定している場合は、次の順番で整理すると進めやすくなります。

  1. 元店舗の営業終了日を決める
  2. 元店舗の廃業届の要否を確認する
  3. 新店舗の施設基準を確認する
  4. 新店舗で飲食店営業許可を申請する
  5. 営業開始日と許可取得時期を調整する
  6. 必要に応じて保健所へ事前相談する

飲食店営業許可の保健所相談については、 飲食店営業許可の保健所相談とは?事前相談で確認すべきポイントを解説 もご覧ください。

廃業届でよくある勘違い

よくある勘違い 実務上の考え方
閉店したら手続き不要 営業を廃止した場合は、保健所への廃業届が必要になります。
許可期限が切れるまで放置してよい 営業をやめた場合は、有効期限を待たずに廃業届の要否を確認しましょう。
前の許可を次の人が使える 営業者が変わる場合、新しい営業者として許可が必要になる可能性があります。
一時休業でも必ず廃業届を出す 再開予定がある場合は、廃業届を出すべきか保健所へ確認する必要があります。

廃業届で迷った場合の進め方

飲食店営業許可の廃業届で迷った場合は、まず現在の許可内容と今後の予定を整理しましょう。

次の順番で確認すると、必要な手続きが分かりやすくなります。

  1. 現在の営業許可証を確認する
  2. 営業を完全にやめるのか、一時休業なのかを整理する
  3. 店舗を譲渡する予定があるか確認する
  4. 新しい営業者がいるか確認する
  5. 移転や再開の予定があるか確認する
  6. 管轄保健所へ廃業届の要否を確認する
  7. 必要書類を準備して届出する

特に、店舗譲渡や居抜き引継ぎがある場合は、前営業者と新営業者の手続きのタイミングが重要です。

飲食店営業許可の申請スケジュールについては、 飲食店営業許可はいつ申請する?開業スケジュールと準備の流れを解説 もご覧ください。

飲食店営業許可の廃業届に関するよくある質問

飲食店を閉店したら廃業届は必要ですか?

必要になるのが通常です。飲食店営業許可を受けていた営業を終了した場合は、管轄保健所へ廃業届を提出する必要があります。

廃業届はいつ出せばよいですか?

営業を廃止した場合に提出します。具体的な提出期限や方法は自治体によって異なる場合があるため、閉店日が決まった段階で管轄保健所へ確認しましょう。

営業許可証をなくした場合でも廃業届は出せますか?

許可証を紛失している場合でも、手続きできる可能性があります。ただし、追加の確認や書類が必要になることがあるため、事前に保健所へ相談しましょう。

一時休業の場合も廃業届が必要ですか?

一時休業と完全な廃業では取扱いが異なる場合があります。再開予定がある場合は、廃業届を出す前に管轄保健所へ確認することが重要です。

店舗を譲渡する場合、前の許可を次の人が使えますか?

前営業者の許可を新しい営業者がそのまま使えるとは限りません。新しい営業者として飲食店営業許可が必要になる可能性があります。

移転する場合は廃業届が必要ですか?

元店舗の営業を終了する場合は廃業届が必要になることがあります。また、新店舗では別途新規許可申請が必要になる可能性があります。

廃業届を出さないとどうなりますか?

許可情報が残ったままになり、後日の手続きや店舗譲渡時に整理が必要になることがあります。閉店や営業終了が決まった場合は、早めに廃業届の要否を確認しましょう。

まとめ

飲食店営業許可を受けた店舗を閉店する場合や、営業を廃止する場合は、管轄保健所へ廃業届を提出する必要があります。

営業をやめたまま手続きを放置すると、許可情報が残ったままになり、後日の手続きや店舗譲渡時に整理が必要になることがあります。

特に、店舗を居抜きで譲渡する場合、別の営業者に引き継ぐ場合、移転する場合、一時休業と廃業の判断に迷う場合は、事前に保健所へ確認することが重要です。

廃業届は、営業を終了した事実を届け出るための大切な手続きです。

閉店日や譲渡日が決まった段階で、必要な届出と今後の許可手続きを整理しておきましょう。

次に確認したいページ

飲食店営業許可について、申請の相談、基本情報、個別の疑問に分けて確認できます。

飲食店営業許可の廃業届・引継ぎ手続きでお困りの方へ

飲食店を閉店する場合や、店舗を譲渡する場合は、廃業届だけでなく、新しい営業者の許可申請、名義変更の可否、移転時の新規許可なども整理する必要があります。

「飲食店を閉店するので廃業届を出したい」
「営業許可証をなくしていて手続きが不安」
「居抜きで店舗を譲渡する予定がある」
「次の営業者が前の許可を使えるのか知りたい」
「奈良県で飲食店営業許可の廃業届を進めたい」

このような場合は、閉店日や譲渡日から逆算して、必要な手続きを整理しておくことが重要です。奈良県で飲食店営業許可の廃業届・変更手続き・新規許可をご検討中の方は、行政書士だいとう事務所へご相談ください。