飲食店営業許可は自分で取得できる?行政書士に依頼する場合との違いを解説
飲食店を開業する際、「飲食店営業許可は自分で申請できるのか」「行政書士に依頼しないと許可は取れないのか」と迷う方は多いです。
結論からいうと、飲食店営業許可は自分で申請することも可能です。
実際に、保健所へ相談し、必要書類を準備し、施設検査を受けて、自分で許可を取得する方もいます。
ただし、飲食店営業許可は、申請書を書いて提出するだけの手続きではありません。
営業内容の整理、物件設備の確認、保健所相談、食品衛生責任者の準備、図面作成、必要書類の確認、施設検査への対応が必要です。
特に、内装工事後に設備不足が分かった場合や、開業日が決まっている場合は、追加工事や補正対応によってオープン予定に影響することがあります。
この記事では、飲食店営業許可を自分で申請できるケース、自分で申請する流れ、必要書類、メリット・デメリット、行政書士に依頼した方がよいケースについて解説します。
この記事で分かること
- 飲食店営業許可は自分で申請できるのか
- 自分で申請する場合の流れ
- 自分で準備する必要書類
- 自分で申請するメリット・デメリット
- 行政書士に依頼した方がよいケース
- 開業予定日に間に合わせるための注意点
自分で申請するか迷っている方へ
飲食店営業許可は自分で申請できます。ただし、物件設備、図面、保健所相談、必要書類、食品衛生責任者、施設検査まで自分で対応する必要があります。費用を抑えたいのか、開業準備の時間を優先したいのかを考えて判断しましょう。
飲食店営業許可は自分で申請できる?
飲食店営業許可は、自分で申請することができます。
行政書士に依頼しなければ申請できない手続きではありません。
そのため、時間に余裕があり、保健所相談、必要書類の準備、図面の作成、施設検査への対応を自分で進められる場合は、自分で申請することも選択肢になります。
ただし、自分で申請する場合でも、飲食店営業許可の要件が緩くなるわけではありません。
施設基準、食品衛生責任者、営業内容、必要書類、施設検査の確認は、行政書士に依頼する場合と同じように必要です。
自分で申請できるが、準備は必要
飲食店営業許可は自分で申請できますが、申請書を出すだけではありません。工事前の保健所相談、設備確認、食品衛生責任者、図面、施設検査まで含めて準備する必要があります。
飲食店営業許可の全体像については、 奈良県で飲食店営業許可を取得するには?申請の流れ・必要書類・注意点を解説 もご覧ください。
自分で申請しやすいケース
飲食店営業許可は、状況によっては自分で進めやすいケースがあります。
次のような場合は、自分で申請することも検討しやすいです。
- 開業日まで時間に余裕がある
- 保健所へ相談に行く時間を確保できる
- 物件や設備が分かりやすい
- 内装工事前に保健所へ相談できる
- 提供メニューがシンプル
- テイクアウト、菓子製造、深夜酒類などの追加手続きがない
- 必要書類や図面を自分で準備できる
例えば、小規模な飲食店で、営業内容がシンプルで、工事前に保健所相談を済ませられる場合は、自分で申請しやすいことがあります。
一方で、開業日が迫っている場合や、営業内容が複雑な場合は、自分で進める負担が大きくなります。
自分で申請する場合の流れ
自分で飲食店営業許可を申請する場合は、開業日から逆算して準備する必要があります。
一般的な流れは次のとおりです。
| 手順 | 内容 | 注意点 |
|---|---|---|
| 1. 営業内容を整理する | 店内飲食、テイクアウト、酒類提供、菓子販売などを整理します。 | 営業内容によって必要な許可が変わることがあります。 |
| 2. 物件と図面を確認する | 厨房、客席、トイレ、出入口、設備配置を確認します。 | 図面と現地が違う場合は修正が必要です。 |
| 3. 保健所へ事前相談する | 図面やメニューをもとに、施設基準や必要書類を確認します。 | できれば内装工事前に相談します。 |
| 4. 食品衛生責任者を準備する | 資格者や講習修了者を確認します。 | 講習が必要な場合は日程に注意します。 |
| 5. 必要書類を準備する | 申請書、図面、食品衛生責任者資料などを準備します。 | 個人申請と法人申請で書類が変わることがあります。 |
| 6. 申請する | 管轄保健所へ申請し、手数料を納付します。 | 申請後に施設検査の日程を調整します。 |
| 7. 施設検査を受ける | 保健所職員が店舗設備を確認します。 | 不備があると補正や再確認が必要です。 |
| 8. 許可後に営業開始する | 許可が下りてから営業を開始します。 | 許可前にプレオープンしないよう注意します。 |
自分で申請する場合は、各段階の確認を自分で行う必要があります。
開業スケジュールについては、 飲食店営業許可はいつ申請する?開業スケジュールと準備の流れを解説 もご覧ください。
自分で準備する必要書類
飲食店営業許可を自分で申請する場合は、必要書類も自分で準備します。
必要書類は、申請者が個人か法人か、営業内容、物件設備、水道の種類、キッチンカーか固定店舗かによって変わることがあります。
一般的に準備することが多い書類・資料は次のとおりです。
| 書類・資料 | 内容 | 自分で準備する際の注意点 |
|---|---|---|
| 営業許可申請書 | 営業者情報、店舗所在地、営業の種類などを記載します。 | 個人名義か法人名義かを間違えないようにします。 |
| 店舗の平面図 | 厨房、客席、トイレ、出入口などを示します。 | 図面と現地設備が一致しているか確認します。 |
| 厨房設備の配置図 | シンク、手洗い設備、冷蔵庫、調理台などの位置を示します。 | 手洗い設備やシンクの位置が分かるようにします。 |
| 食品衛生責任者に関する資料 | 資格者証や講習修了証などを確認される場合があります。 | 講習が必要な場合は早めに日程を確認します。 |
| 営業内容が分かる資料 | メニュー、テイクアウトの有無、酒類提供の有無などを整理します。 | 別の許可や届出が必要か判断する資料になります。 |
| 法人関係書類 | 法人で申請する場合に法人情報を確認する資料が必要になることがあります。 | 法人名、本店所在地、代表者名が申請内容と一致しているか確認します。 |
| 水質検査成績書 | 井戸水などを使用する場合に必要になることがあります。 | 水道水以外を使用する場合は早めに確認します。 |
| 申請手数料 | 申請時に自治体で定められた手数料を納付します。 | 金額や納付方法は管轄保健所で確認します。 |
自分で申請する場合は、必要書類の不足や図面の不備に注意が必要です。
必要書類の詳細については、 奈良県で飲食店営業許可を取得するには?申請の流れ・必要書類・注意点を解説 もご覧ください。
自分で申請するメリット
飲食店営業許可を自分で申請するメリットは、主に費用面と手続き理解の面にあります。
| メリット | 内容 |
|---|---|
| 費用を抑えられる | 行政書士報酬がかからないため、申請にかかる外部費用を抑えられます。 |
| 手続きの流れを理解できる | 保健所相談や施設検査を自分で経験することで、許可制度の流れを理解しやすくなります。 |
| 自分の営業内容を直接説明できる | メニューや店舗運営について、自分で保健所へ説明できます。 |
特に、開業準備に時間的な余裕があり、費用をできるだけ抑えたい場合は、自分で申請するメリットがあります。
自分で申請するデメリット
一方で、自分で申請する場合は、時間と手間がかかります。
開業準備と並行して進めるため、思った以上に負担が大きくなることがあります。
| デメリット | 内容 | 影響 |
|---|---|---|
| 時間がかかる | 保健所相談、書類準備、図面作成、施設検査の日程調整を自分で行います。 | 開業準備の時間が削られることがあります。 |
| 設備基準の判断が難しい | シンク、手洗い設備、厨房区画などの確認に迷うことがあります。 | 工事後に追加対応が必要になる可能性があります。 |
| 補正対応が必要になることがある | 書類不備や図面不備、設備不足があると補正や再確認が必要です。 | 開業日が遅れる可能性があります。 |
| 別の許可を見落とす可能性がある | 菓子製造、そうざい製造、深夜酒類、消防署届出などを見落とすことがあります。 | 開業直前に追加手続きが必要になることがあります。 |
自分で申請する場合は、「費用を抑えられる」一方で、「時間と手間がかかる」点を考える必要があります。
補正になりやすいポイントについては、 飲食店営業許可の申請でよくある不備とは?補正になりやすいポイントと対策を解説 もご覧ください。
行政書士に依頼するメリット
行政書士に依頼するメリットは、申請準備の負担を減らし、開業準備に集中しやすくなることです。
特に、初めて飲食店を開業する場合や、開業予定日が決まっている場合は、手続き全体を整理する意味があります。
| メリット | 内容 |
|---|---|
| 必要書類を整理しやすい | 申請書、図面、営業内容、食品衛生責任者資料などを整理して進めやすくなります。 |
| 保健所相談の準備がしやすい | 相談前に確認事項を整理し、営業内容や設備の説明をしやすくなります。 |
| 補正リスクを減らしやすい | 図面・書類・営業内容の不足を事前に確認しやすくなります。 |
| 開業準備に集中しやすい | メニュー開発、仕入れ、採用、広告、内装工事などに時間を使いやすくなります。 |
行政書士に依頼する場合でも、物件設備や営業内容の確認は必要です。
ただし、何をどの順番で準備すべきか整理しやすくなるため、開業準備全体の見通しを立てやすくなります。
行政書士に依頼する場合の考え方については、 奈良県で飲食店営業許可を行政書士に依頼するメリットと注意点を解説 もご覧ください。
行政書士に依頼した方がよいケース
次のような場合は、自分で申請するよりも、行政書士への依頼を検討した方がよいことがあります。
| ケース | 理由 |
|---|---|
| 初めて飲食店を開業する | 保健所相談、図面、設備基準、施設検査の流れが分かりにくいことがあります。 |
| 開業日が決まっている | 補正や追加工事で遅れると、広告・求人・仕入れに影響する可能性があります。 |
| 居抜き物件を使う | 前営業者の設備が現在の基準や新しい営業内容に合うとは限りません。 |
| テイクアウトや焼き菓子販売を行う | 菓子製造業やそうざい製造業など、別許可の確認が必要になる場合があります。 |
| バーや深夜営業を予定している | 深夜酒類提供飲食店営業開始届出や消防署確認が関係することがあります。 |
| 本業を続けながら開業準備をする | 平日の保健所対応や書類準備の時間を確保しにくいことがあります。 |
自分で申請するか依頼するかは、費用だけでなく、時間、開業予定日、物件の状況、営業内容の複雑さを含めて判断しましょう。
業態別に見る注意点
飲食店営業許可は、業態によって自分で進めやすい場合と、確認事項が多くなる場合があります。
| 業態 | 自分で申請する際の注意点 |
|---|---|
| カフェ | 焼き菓子販売やテイクアウトを行う場合、別許可の確認が必要になることがあります。 |
| バー | 深夜酒類提供飲食店営業開始届出や消防署確認が関係することがあります。 |
| テイクアウト店 | 包装、作り置き、菓子・惣菜販売、温度管理を確認する必要があります。 |
| キッチンカー | 車両設備、給排水タンク、仕込み場所、販売場所の確認が必要です。 |
| 居抜き物件での開業 | 前店舗の設備や許可内容をそのまま使えるとは限りません。 |
カフェ開業については、 奈良県でカフェを開業するには?飲食店営業許可の流れ・必要書類・注意点を解説 もご覧ください。
テイクアウト専門店については、 テイクアウト専門店を開業するには?必要な許可・手続き・注意点を解説 もご覧ください。
バー開業については、 奈良県でバーを開業するには?飲食店営業許可・深夜酒類届出の注意点を解説 もご覧ください。
自分で申請する場合のチェックリスト
自分で飲食店営業許可を申請する場合は、申請前に次の点を確認しておきましょう。
申請前チェックリスト
- 営業内容と提供メニューを整理している
- 店内飲食・テイクアウト・酒類提供の有無を確認している
- 焼き菓子・惣菜・深夜酒類など別許可の要否を確認している
- 保健所へ事前相談している
- 店舗図面と現地設備が一致している
- シンク・手洗い設備・給湯設備・冷蔵設備を確認している
- 食品衛生責任者が決まっている
- 必要書類を確認している
- 消防署への届出や確認が必要か確認している
- 開業予定日までに施設検査と補正対応の余裕がある
このチェックリストに不安な項目が多い場合は、自分で申請する前に、保健所や専門家へ相談しておくと安心です。
消防署への届出については、 飲食店の開業で消防署への届出は必要?防火管理者が必要になるケースを解説 もご覧ください。
自分で途中まで進めてから依頼できる?
飲食店営業許可は、自分で途中まで進めてから行政書士へ相談することもあります。
例えば、保健所相談に行った後に必要書類が分からなくなった場合や、施設検査前に図面や設備に不安が出た場合、補正を受けた場合などです。
ただし、開業日が近い場合や、設備工事がすでに終わっている場合は、対応できる選択肢が限られることがあります。
途中から相談する場合は、次の資料を整理しておくと状況を把握しやすくなります。
- 現在の店舗図面
- 保健所で相談した内容
- 指摘された内容や補正内容
- 提供予定メニュー
- 食品衛生責任者の状況
- 開業予定日
- 消防署への確認状況
自分で進めていて不安が出た場合は、開業直前まで放置せず、早めに相談する方が対応しやすくなります。
飲食店営業許可を自分で申請する場合のよくある質問
飲食店営業許可は自分で申請できますか?
自分で申請できます。行政書士に依頼しないと申請できない手続きではありません。ただし、保健所相談、必要書類、図面、施設検査への対応を自分で進める必要があります。
自分で申請する場合、何から始めればよいですか?
まず営業内容、提供メニュー、物件図面、厨房設備を整理しましょう。そのうえで、内装工事前に管轄保健所へ相談する流れが基本です。
自分で申請すれば費用は安くなりますか?
行政書士報酬がかからないため、外部費用は抑えられます。ただし、保健所相談、書類準備、図面作成、施設検査対応に時間と手間がかかります。
自分で申請して不備が出た場合はどうなりますか?
書類の補正、図面の修正、追加資料の提出、設備の追加、再確認が必要になることがあります。内容によっては開業日が遅れる可能性があります。
行政書士に依頼すると必ず許可が取れますか?
許可取得を保証するものではありません。ただし、必要書類、図面、営業内容、保健所相談の準備を整理し、不備や手戻りを減らしやすくなります。
申請だけ行政書士に依頼できますか?
事務所によって対応範囲は異なります。書類作成、保健所相談、申請、施設検査対応など、どこまで依頼できるかを確認しましょう。
自分で途中まで進めた後でも相談できますか?
相談できる場合があります。ただし、開業日が近い場合や工事後に設備不備が分かった場合は、対応に時間がかかることがあります。早めに相談する方が進めやすくなります。
初めての開業でも自分で申請できますか?
自分で申請することは可能です。ただし、初めての場合は、保健所相談、設備基準、図面、食品衛生責任者、施設検査で迷いやすいため、時間に余裕を持って準備しましょう。
まとめ
飲食店営業許可は、自分で申請することができます。
行政書士に依頼しなければ申請できないわけではありません。
ただし、自分で申請する場合は、保健所相談、必要書類、図面作成、食品衛生責任者、施設検査、補正対応まで自分で進める必要があります。
費用を抑えたい場合や、時間に余裕がある場合は、自分で申請するメリットがあります。
一方で、初めての開業、居抜き物件、テイクアウトや焼き菓子販売、バーや深夜営業、開業日が決まっている場合は、確認事項が多くなります。
奈良県で飲食店営業許可を取得する場合は、自分で申請するか行政書士に依頼するかを、費用だけでなく、時間、開業予定日、営業内容、設備の状況から判断しましょう。
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飲食店営業許可について、申請の相談、基本情報、個別の疑問に分けて確認できます。
自分で申請するか迷っている方へ
飲食店営業許可は自分で申請できますが、保健所相談、必要書類、図面、食品衛生責任者、施設検査、補正対応などを自分で進める必要があります。
「自分で申請できるか判断したい」
「この物件で許可が取れるか不安」
「保健所相談の前に図面やメニューを整理したい」
「開業予定日までに許可を取りたい」
「申請書類や施設検査の対応を任せたい」
このような場合は、自分で進める部分と依頼する部分を整理しておくことが重要です。奈良県で飲食店営業許可の申請をご検討中の方は、行政書士だいとう事務所へご相談ください。
